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ゲット・アウト GET OUT

★★★★★映画
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映画情報

原題:GET OUT

製作年:2017年

ジャンル:サイコ・スリラー

監督:ジョーダン・ピール

上映時間:103分

あらすじ

いきなり黒人のニーチャンが襲われて連れ去られるシーンから始まります。

で、シーンが変わり、主人公のカメラマン・クリス。

カワイイ彼女のローズに連れられて、彼女の実家のアーミテージ家に挨拶に行くことになります。
ですが、白人一家に、黒人の自分が彼氏として入っていっていいのか悩んでいました。

ローズは家族も自分も全く気にしないと笑い飛ばします。
鹿と不安を跳ね飛ばして彼女の実家にたどり着くと、神経外科医の父と、精神科医の母、医学生の弟、そして黒人を使用人として雇っているオールドタイプなエリート白人一家の姿がありました。


黒人使用人については、祖父・祖母の介護のために雇ったもので祖父母が逝去したあとも解雇できずに雇い続けているだけで、他意はないということを父親が説明します。

クリスはなんとなく釈然としないモノを覚えますが、とりあえず歓迎されているので納得します。

そして、クリス&ローズの訪問とたまたま被ってしまったアーミテージ家と愉快な仲間たちの親睦パーティが始まり、クリスもゲストとして参加させられます。

参加者たちに露骨に黒人であることを褒められ、嬉しいよりも気味悪さを感じるクリス。
本能的な不安を感じつつ、ある確証を得たクリスはローズに相談し、共にアーミテージ家から脱出しようとしますが……。

みどころ

KKK系映画かと思った

多くの白人、少なめの黒人、隔絶された田舎、という要素が来ると、黒人を褒め殺し(言葉の意味そのまんま)する映画かと思いました。
もしくは洗脳系のなにかかと思いましたが、もっとブッ飛んでいてすっかり騙されました。

やっぱりアメリカの田舎は怖い

アメリカの田舎でゴニョゴニョする映画というと、悪魔のいけにえという伝説的映画がございます。
あれはキチガイ一家が田舎に迷い込んだ人間を無差別に捕まえて解体する映画でした。

こっちは聡明な人たちが明確な目的を持って人を田舎に誘い込む部分が対照的です。

ですが、人をモノとしてしか見ていない不気味さと恐怖さは共通です。
新たな解釈をした悪魔のいけにえだと感じましたね。

アーミテージ家

向かって左から祖母・祖父・父・母・弟・ローズです。
現在はスティーブ・ジョブス的なスマートな出で立ちになっている父が、この写真だとヤバメ体型なのがショックです。

この家族もお友達も皆様社会的地位が高いので、もし黒人のクリスがこの家族の問題をどこかに訴えても、社会的にもみ消されたり逆にクリスに不利になりそうな結果に持っていかれそうな怖さを感じます。

悪魔のいけにえは白人一家とはいえ見た目が190%オカシイ一家なので、警察が来たらきちんと悪い奴側を撃ち殺してくれそうですが、今作のように高ステータスで外には善人で通っている人々vs黒人だとどうなるかというのも見ている方の不安を煽ります。

アメリカでは実際に、一時期黒人が警察官に射殺される事件が多発し人種差別がまだ根強く残っていることが原因ではないかと言われていましたが、この映画にはそのあたりの皮肉も込められているような感じがしました。

実際にアメリカに住んでいる白人と黒人は、この映画に流れる緊張感と不気味さを、ただの娯楽として映画をボケーッと見ている私のようなイエローモンキーより強く、センシティブに感じ取ったのではないでしょうか。

*2020年、BLM(Black Lives Matter)運動が起こり、この映画が含むメタファーが噴出した形となりました。

評価

★★★★★

あんまり期待しないで見ましたが、よく出来た作品でした。ていうか調べたら2017の年大ヒット映画でございました。
クリスらの黒人自身以外、黒人のことを悪く言ってないのに、見た後にやっぱり人種差別or格差ってのがアメリカにはまだ残ってんだろうなーと思わせてくれる一品です。

悪魔のいけにえも血しぶきドバッのようなシーンがなかったですが、気持ち悪いものを見たなァというイメージが残るのとタブります。

派生作品

関連作:悪魔のいけにえ、ターミネーター3(最後まで見ればわかる)


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