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スズキ・ワゴンR HYBRID FX(MH35S) レビュー

クルマ

ラモデルブからの旧記事の転載+加筆です。

マイカーの5代目ワゴンR(MH34S)をメンテに出したらMH35SのハイブリッドFXが代車としてやってきたので乗り倒してみました。

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エクステリア ★★★☆☆

MH35SとMH34Sの新旧比較。
MH23S、MH34Sと続いたヨーロッパ小型車路線から箱っぽくなりました。

実物のカタマリ感は良く、最初写真見てドンビキした後席ドアのミニバンっぽいラインも結構似合っていました。

でも、ここまで箱にするなら、MH22S的なカクカクで良かった気がします。

また、テールランプもこのフロントフェイスなら、つり目ではなく真四角が似合うと思います。
フロントとリアでデザイナーが違う車のようになっていて混乱してしまいます。

このアンバランスさは基本を変えずにFX、FZ、スティングレーを作り分けた弊害だと思います……残念。

後は、目一杯ボディ横幅を拡げたせいか、ドアノブの出っ張りが浅いです。慣れるまで手が宙を切る or 爪で内側にひっかき傷を付けてしまいそうで怖いです。

インテリア ★★★☆☆

まずインパネですが、ワゴンRもついにN-BOX同様、軍隊の食事のトレイのようになりました。機能自体は問題ないのですが、質感は高くないです。それに加えて懐かしい形のエアコンルーバーとその周辺のマーブル模様のプラ、ステアリング6時方向の謎のハニカム模様と、20年くらい前の車のような印象です。

レイアウト構成は2代目N-BOXっぽく、収納は多く使いやすいですが、やはり質感が……。

室内空間

MH34Sより更に広くて快適になりました。特に横方向が拡大。更にドアに肘を置くえぐりこみが設けられており、これがしっくりきて非常に良いです。デイズルークスはここが絶妙にフィットしてくれませんでした。この内張りがプラでなくて布張りだったらもっと良かったですね。

センターメーター

室内長さ測定時に有利だから(多分)センターメーターになりましたが、視線移動の手間が結局普通のメーターと変わりませんでした。むしろ、トリップなどの切り替えボタンが中央に行ってしまい切り替えが非常に面倒になってしまいました。

エアコン

エアコンはすべてが極端に小さくなってしまい操作がしにくいです。特に内気、外気の切り替えができたかどうかよくわかりません。

上記二点のツメの甘さというか使いにくさはスズキにしては珍しいと思いました。開発期間がなかったのでしょうか。

その他

ミラーなのですが、MH34Sの縦長四角ミラーに比べて横長ミラーになりました。
MH34Sに比べて上半分が切られている形になっているのと、着座位置が高いのに取り付け位置が低いので非常に見にくいです。シートリフターもないのでシート調整不可。これもスティングレーとの共用ゆえの弊害でしょう。

シート

運転席にはシートヒーターがついています。最近のスズキ車は熱効率が良いのとアイドリングストップのためにエンジン暖気完了まで時間がかかることが多く、冷風にさらされることが多いので大変便利です。

リアシートは文句なしの広さ。
しかし、ベージュ一色です。以前の型はグレーのドアトリム+ベージュのシートなどメリハリがあったのですが……。

シートのコシなどは問題ないのですが、やっぱり色と質感が低めです。

装備 ★★★☆☆

ハイブリッドシステムなど、動力関係など中身はしっかりお金かかっていますが、FXグレードは、内装関係で特筆すべき装備はついてません。その中でのウリがアンブレラホルダー。雨の日の家人の送り迎えにはとても便利かと思います。ただ、運転手が使おうとすると後席へ行く手間の間でずぶ濡れになりそうなのであまり使えないかもしれませんね。

しかし、リアシート足元に傘を置くのとどっちがいいんでしょうか。

動力性能 ★★★★☆

いつものR06Aと副変速機付CVTに加えてマイルドHV付です。クリープ走行時のEV走行ができたり、より積極的なモーターアシストが入るようになり、上り坂もきびきび走ります。横に広くなった室内空間と合わせて、小型車を運転している感覚になります。MH34Sで気になったCVTの副変速機が介入する時のウニュ感もなくなり好印象です。

ただし、EV走行がほんとにほんのちょっとなのと、EV走行時にホワホワホワと周囲への警告音がするのが気になります。アイドリングストップ時間もなぜかMH34Sより短くなり、始動時にピッという耳障りな電子音がします。せっかく始動時のエンジン音がなくなったのに残念です。また、EV→エンジン走行に切り替わるときにアクセル踏んだ後に一瞬タイムラグとショックが来てから走り出すのでこれまた残念な感じ。

ここもツメの甘さが感じられます。
なんだかハイブリッドの気になる面が印象に残ってしまいました。

ハンドリング ★★★★☆

ここは相当改善されています。
MH34Sは安定感のためかサスペンションがかなり硬めで、コーナリング時に無理やりサスを押しつぶしているような感じでぎこちなく曲がる感覚なのですが、MH35Sは安定して曲がります。すごく自然に車が曲がるので、ハイトワゴンの高さを感じません。
高速道路でも100km/hくらいまでならピターっと走ってくれていい感じです。

MH34Sではシャシーを大幅軽量化、今型ではその重量を維持しつつ、剛性を高めているのかなと素人なりに思いました。

乗り心地 ★★★★☆

NVHも進化していると感じました。
MH34Sで気になったロードノイズ・風切音はかなり減っています。

凸凹した道でも、ある程度まではMH34Sより段差を柔らかくいなしてくれます。大きな段差だとガン!と来ますが総じて、MH34Sより良い車感は3割くらい増しています。

FXは内装がしょぼめですが、見えない部分がかなり改良されていますね。

燃費

未計測

総評 ★★★☆☆

走行・快適性能は小型車並に向上しましたが、エクステリア・インテリアは私の好みではなくなってしまい、メーターやエアコンの使い勝手はイマイチの評価となってしまいました。

狙いたかったところはわかるのですが、もうちょっとこう、なんとかならんかったもんでしょうか。ハイトワゴンキングのワゴンR復権だぜ!という意気込みは伝わるのですが、メカニズムの作り込みで予算が尽きてしまった感があります。

ということは、この中身にお洒落エクステリア・インテリアを組み合わせたハスラー後継車が出たら軽最強なのでは?

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