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車雑誌界の東スポ・ベストカー
毎回テキトーな予想でユーザーにムダな期待を持たせてくれる雑誌、ベストカー。
毎年毎年、スズキKeiの新型が出る!とかジムニーFMC!という記事が載っていました。その記事がようやくなくなった頃にハスラーが出たり、JB64ジムニーが出たり、その情報のテキトーさは折り紙付きです。
故・前澤
ekクロスとワゴンRを比較した記事が出ていた
新型のekとワゴンRほかを比較した記事が出ていて、結果が下記です。
4WDやらターボやら、ごちゃごちゃ混ぜすぎてて比較になっていない気がしますが、そこは置いておきます。
気にしていただきたいのは下記の数字↓
ekクロスG(4WD) | ワゴンR FZ | ekのトロさ | |
0→60km/h加速 | 9秒30 | 7秒22 | ▲28% |
ekとワゴンRで2秒08の差があります。
ekは4WDで920kg、ワゴンRのFZは790kgなので、ekの方が16%重く28%加速が遅いです。まあこれは納得できる差ではあります。
で、本題
ベストカーでダイナミックテストという名目でekクロスとワゴンRの性能を比較した結果がこちら。
加速 0→100km/hの結果以下がおかしくないか?というギモンが出てきましたので検証です。
加速 0→100km/hの結果と加速0→120km/hの結果
あんまりにもekが遅すぎないか?と思ったのでいろいろ計算しました。
0→100km/hは、上の表で2回計測した方のそれぞれ速い方で比較してみると、トロさの割合▲28%付近と妥当な数字でした。
ekクロスG(4WD) | ワゴンR FZ | ekのトロさ | |
①0→60km/h加速 | 9秒30 | 7秒22 | ▲28% |
②0→100km/h加速 | 24秒91 | 19秒37 | ▲27% |
②-①2つの差分秒 | 15秒61 | 12秒15 | ▲28% |
0→120km/hは極端に差がついています。ekが▲49%もトロいです。
ekクロスG(4WD) | ワゴンR FZ | ekのトロさ | |
③0→120km/h加速 | 41秒98 | 28秒12 | ▲49% |
③-②2つの差分秒 | 17秒07 | 8秒44 | ▲102% |
②の結果を踏まえて、100→120km/hに到達するまでの時間を抜き出すとekクロスは17秒07もかかっており、ワゴンRの8秒44の半分以下の加速力で▲102%の負けです。これはいくらなんでもありえないと思います。
一体120km/hに到達するまでekクロスは何キロメートル走らないといけないのか?
各目標時速到達までに進んだ距離を超ざっくり計算したのが下記です。どういう加速曲線で加速したか不明なので、等加速度で進んだものとします。
60km/hまでは①のタイム、100km/hまでは②-①のタイムで進んだもの、120km/hは③-②のタイムで進んだものとします。
ekクロス G(4WD)の場合
時速(km/h) | 加速に要した秒数(s) | 進んだ距離(m) |
0 | 0 | 0.0 |
10 | 1.55 | 4.3 |
20 | 1.55 | 8.6 |
30 | 1.55 | 12.9 |
40 | 1.55 | 17.2 |
50 | 1.55 | 21.5 |
60 | 1.55 | 25.8 |
70 | 3.90 | 75.8 |
80 | 3.90 | 86.7 |
90 | 3.90 | 97.6 |
100 | 3.90 | 108.4 |
110 | 8.54 | 260.8 |
120 | 8.54 | 284.5 |
合計 | 41.98秒 | 1004.2m |
ワゴンR FZの場合
時速(km/h) | 加速に要した秒数(s) | 進んだ距離(m) |
0 | 0 | 0.0 |
10 | 1.20 | 3.3 |
20 | 1.20 | 6.7 |
30 | 1.20 | 10.0 |
40 | 1.20 | 13.4 |
50 | 1.20 | 16.7 |
60 | 1.20 | 20.1 |
70 | 3.90 | 75.8 |
80 | 3.04 | 67.5 |
90 | 3.04 | 75.9 |
100 | 3.04 | 84.4 |
110 | 4.22 | 128.9 |
120 | 4.22 | 140.7 |
合計 | 28.67秒 | 643.5m |
走行距離は……
ekクロスは1004.2m走ってやっと0→120km/h到達。ワゴンRは643.5mで0→120km/h到達。
100km/h→120km/hに達成するまでにekクロスは545.3m、ワゴンRは269.6m走ります。
時間的にも、ekクロスは100km/h→120km/hまで加速する際17秒もかかるので、この速度域だと1秒で1.2km/hしか増速しません。こんなにトロいのが本当であれば、高速域での追い越し時などは無理なほど低い動力性能ではないかと思います。
中間加速テスト80km/h→120km/hも同傾向で、100km/h以上の加速がekクロスは極端に悪いデータになっています。
ということで、どう控えめに見てもなんかおかしいです。
それともekクロスの顔の走行抵抗が半端なく高く空気の壁に負けたのでしょうか?
実測値の精度の怪しさも
そもそもekの0→100km/h、1回目26秒78、2回目24秒91ってバラツキすぎではないでしょうか。
ワゴンRは0→100km/h、19秒37、19秒68とほぼ差がなく、他のパターンも同様ほぼ差なしなのですが、なぜかekはどのパターンもバラツキが0.7秒~1.5秒あり、計測精度の確からしさが非常にアヤしいです。
さらにスピードをGPSで取ったのか、それぞれのクルマのメーター読みで取ったのかでも条件がズレてきます。
まとめ
旧型デイズの3B21はスクエアストロークエンジンだったためか、NAでも100→120km/hはスーッと加速した感じで17秒もかかることはありませんでした。今回のBR06エンジンも極端なロングストロークではないので、ココまで上のタイムがフン詰まりになるのは謎です。
レンタカーなど借りて実車で試すしかないですね。
ちなみに
BR06エンジンのトルクカーブは全体的に3B20エンジンより上なので、高速域で極端に失速することはないと思います。ノンターボだと最大トルクの出る辺り(3600回転)以降にトルクの谷がありますが、それでも3B20より上です。
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