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WLTCモード458kmの衝撃
色々あったせいで延期していたリーフe+がひっそりと出ました。
40kwhバッテリーから62kwhバッテリーへ増量。
それに伴いJC08もWLTPモード燃費も航続距離が1.4倍ほど伸びています。世界基準のWLTPモード計測でも458km走るということで、ライバルのテスラに対する弱みがようやく払拭されたといえるでしょう。
ネガな部分としては、急速充電時間は60分へと相応に伸びてはいますが、航続距離の増加によって1回の急速充電で九州~名古屋くらいなら走りきってしまえるので大きな問題ではないと思います。
また、昔のリーフは昔の1000mAh台のスマホのように毎日0%近くまで使っていると充電の繰り返しで電池がぐんぐん劣化していましたが、62kwhとこれだけたっぷり容量があれば劣化も抑えられると思いますし、毎回80%充電でも350kmは走るので更に電池に優しい使い方ができますね。
ライバルテスラと比較
で、1番のライバルであろうテスラ。
モデル3は米国で月販1万台超え続きで一気にリーフのこれまでの累計販売台数に迫ってきています。
数年分溜まっている予約分を掃いたら終わりという噂もありますが、とりあえず今の勢いは脅威です。
ということで、リーフとモデル3、S、Xと比較してみました。
モデル3は3万5000ドルモデルが当初の目玉だったですが、このグレードは塗装で+10万円、快適パックで+50万円、自動運転で+30万円という素うどんみたいなモデルなので、ミッドレンジグレード(506万円)を持ってきました。
モデル名 | グレード | バッテリー 容量(kwh) |
WLTP EPA距離 (km) |
馬力 (PS) |
トルク (kgfm) |
車重 (kg) |
価格 (万円) |
電費 (km/kwh) |
リーフ | X | 40 | 322 | 150 | 34.7 | 1520 | 366 | 8.05 |
リーフ | e+ X | 62 | 458 | 218 | 32.6 | 1670 | 416 | 7.39 |
テスラモデル3 | ミッドレンジ | 62 | 420 | ? | ? | 1672 | 506 | 6.77 |
テスラモデルS | 100D | 100 | 550 | 443 | 67.3 | 2106 | 1227 | 5.50 |
テスラモデルX | 100D | 100 | 475 | 443 | 67.3 | 2458 | 1278 | 4.75 |
こうして見ると、テスラが先に送り出したモデルS、Xは昔のアメリカンマッスルカー的な思想で作られていて電費が悪く、日産が送り出していた先代リーフはコンパクトで燃費の良い昔の日本車的な感じです。
しかし、リーフe+とテスラモデル3ミッドレンジで、航続距離500km、価格500万円クラスでスペックが拮抗しました。
オーバーサイズからバッテリー容量や価格をダウンサイジングしてきたテスラと、スモールサイズから順番にステップアップしてきた日産がこのレンジでぶつかるのが面白いですね。
500・500時代になる?
リーフもプロパイロットやプロパイロットパーキング+インテリジェントアラウンドビューなどオプション付けると+40万円はかかると思いますので、450~500万円代の車となります(補助金抜きで)。
航続距離と価格を考えると、この先数年は航続距離500km、価格500万円前後が電気自動車の中核レンジになるのでしょうか。と考えると、このレンジでは今の所、価格・電費ではリーフの方にアドバンテージがあります。品質も色々ありましたが、多分あるはずです……。また安全性については、電池起因の発火事故がまだリーフでは起きていないので上と言えるでしょう。AESC電池からLGケムに電池が変わっているので、まだなんとも言えないところではありますが。→62kwもAESC製電池のようです。すみません。
ともあれ、普通に使える電気自動車としての商品力は十分備えていると思う、このリーフe+がどれくらい売れるのかが楽しみです。
そこで気になるノーマルとe+リーフの価格差
40kwhと62kwhバッテリーモデルの価格差が気になるところです。
ということで比較してみました。
モデル名 | グレード | 40kwh 値段(万円) |
62kwh 値段(万円) |
価格差 (万円) |
リーフ | X | 366.1 | 416.2 | 50.1 |
リーフ | G | 399.9 | 472.9 | 73.0 |
Xとe+ Xは50.1万円差です。
差分を見ますと下記。
- 6kw普通充電器分。これが10.8万円分。
- e+専用バンパーで1.3万円(予想)。
- 後は同じなので、バッテリー代は38.0万円。1kwhあたり約1.7万円です。
Gとe+ Gは73.0万円の差です。
Xとe+ Xの差が50.1万円に対して、今回の差は73.0万円と22.9万円も高いです。
差分はXと同じく6kw普通充電器、e+専用バンパーで12.1万円。
バッテリーで38.0万円で50.1万円。
残りの差ですが、e+ G標準装備として、下記が付いています。
- 本革シート
- BOSEサウンドシステム
- 7スピーカー
これが21.6万円。
合計すると71.7万円。1.3万円どこかに消えています。
組み付けをその分丁寧にやっていたりする……わけないので利益になっているんでしょうか?
謎です。むしろe+ Xが安くしてあるのでしょうか。
まとめ
スマホでいうと初代リーフZE0はAndroid 2.3、バッテリー1200mAhの使えなくはないが不満が多かったモノ、ZE1のe+はAndroid 4.4、バッテリー3000mAhくらいのモノの感覚になったと思います。なんというか普通に不満なく1日使えるじゃん、という感覚です。
今後は、リチウムイオンバッテリーにイノベーションがない限りは、バッテリー容量を増やすよりも電費を上げる電子制御か機械制御システムの方にシフトしていくような気がしますがどうなるでしょうか。
*で、2023年現在、e+は値段バク上げしました。テスラはEV世界の覇権取りました。
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