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AcerPower1000でAMD沼にはまる
AcerPower1000に手を加えましたが中途半端な性能で終わりました。サイズが小さいのはいいのですけどね。
ほんで、この検証で買ったPhenom X3 8450eを使いたくなり(WinchesterコアのAthlon64以降、ZenコアのAthlon 220GEまでAMD未使用マン)、ついAM2+マザーボードに手を出してしまったのが長い戦いの始まりになるとはこのとき私は予想だにしなかったのです。
目標スペックと必要なもの
ブログ書きサブマシンとしてWindows10をある程度使いたいため下記が目標スペックです。
- CPU : AMD Phenom X3 8450e(2.1GHz x 3コア 65W)→ある
- MEM : DDR2 800MHz 8.0GB(2.0GB x 4枚)→2枚はある
- ストレージ : SSD 120GB→嫁に内緒で買ってストックしていたCrucialのBXがある
- GPU : Windows10の動作に支障がない性能→余っていたNVidia GT610 1GBがある
- ケース : できるだけスリム→500円ケースがある
- 電源 : 300W以上→500円ケースに付いていた電源がある
というわけで、ほとんどパーツは揃っていて、あとはマザーボードだけです。
上記の目標スペックを満たすためには、microATXかつ、メモリースロットが4つあるマザーボードが必須条件となりました。
ハードウェア取り付け
最近のパーツはすんなり組み上がるので自作をなめていましたが、2週間に渡る長いバトルになりました。
マザーボードを落としそこねる
ヤフオク!で条件を満たすmicroATXのソケットAM2+ほぼ未使用マザーボードを狙っていましたが、最後の5分でかっさらわれてしまいました。
で、代わりに落としたのがGIGABYTEのMA785G-UD3H。AMD785G搭載のマザーボードです。CPU・メモリースロット動作確認済というもの。
内蔵GPUとしてRADEON HD 4200を搭載し、当時の内蔵GPUとしてはかなり高性能。Passmarkだと112点。IntelのGMA 3XXXシリーズのPassmark 3点などよりはるかに高性能です。
そういや、Athlon64のときのマザーボードもGIGABYTEのnForce3のやつだったなーなんて呑気に縁を感じていました。
が、よく見るとこのマザボ、メモリースロットは4つありましたが、サイズがATXでした。後で分かるのですが、M-ATXというやつ。
結局、500円ケースに入らないので500円ケースは下記の記事PCに使いました。
そして、Phenom用にはATXサイズ対応のサイズ(Scytheね)の旋風を引っ張り出すことになりました。右のやつです。
ケースのスペーサーを取り付ける
ともあれ、マザーボードをゲットしたので自作を始めます。
マザボをケースに取り付けるため、スペーサーを組み替えます。現在旋風のスペーサー配置はMini-ITX用になっているのでATX用にします。
このケースのスペーサー穴には、各マザーボードサイズに対してスペーサーはココに付けてねと刻印してあるので、ATXに合わせてスペーサーを付けていきます。
しかしマザーボードとATXのスペーサー穴が合いません。
このマザーボード、MINI-ATXというサイズだったようで、そちらだとマザーボードとスペーサー穴が合いました。
下のようにゴールドのスペーサーを取り付けました。
マザーボードをセットしてCPUなどを取り付けていきます。
9個のスペーサーを取り付けましたが、マザーボードの穴は7個だったので7本ネジを締めました。
CPUクーラーブラケットのツメ吹っ飛ぶ
CPUを取り付けて、Athlon X2 5050eに付いてきた未使用新品クーラーを取り付けようとしましたが、
バキッ
と嫌な音がしてクーラーが跳ねました。
?と思いましたが、下記のように新品のテンションにブラケットが耐えられず折れたようです。
オージーザス。
Athlon X2 5050eと一緒に付いてきたAM2マザーからブラケットを移植してきて事なきを得ました。
ちなみにAMD純正クーラーファンは4ピンなのでPWM制御対応です。
メモリーを取り付ける
ヤフオクで1本500円で仕入れたDDR2 800MHz 2GBを4本取り付けます。8GBあればWindows10を普通に使えるでしょう。
無難に取り付け完了し、下のような感じに。
ビデオカードその他を取り付ける
ジジイなのでビデオカードなのかグラフィックボードなのかグラフィックアクセラレーターボードなのか未だに表記ゆれしてしまいますが、ビデオカードを取り付けます。
また、ケースファンやらSSDやら電源・補助電源コネクターやらをセットしていきます。
このマザーボード、CPUファンが1つ、その他ファンが3つ(3ピン2つ、4ピン1つ)付けられます。伊達にATXサイズではないようです。他にもIDEやFDDやシリアルパラレル端子IEEE1394などのレガシーデバイス端子とHDMI・SATAの現行端子が満載されていて全部盛りです。
さてケースの旋風、14cmファンを7個付けているのですが、今までのマザーボードだとファンピンが足りず、ファンコン5個+マザーボードのファンピン1個を分岐させて残り2個を取り付けるということをやっていましたが今回は分岐ケーブルなしでファンがセットできました。
写真にはないですが、あとはIDEコネクターに200円で買った東芝サムスンのDVDドライブを取り付けて完了です。このドライブ、縦設置にするとトレイが出てこないので横設置できるこのケースに使うことにしました。
ちなみに電源は玄人志向の一番安い80PLUSの400W電源です。
長い戦いの始まり トラブルシューティング編
起動時に長音4回エラー
いざ起動とスイッチを押すと長音4回エラーで起動しません。
だいたいこういう時はメモリーなので、とりあえずメモリーを外します。
メモリースロットは1-2と3-4スロットの計4つです。
症状
- 1に1枚挿すと動作。
- 同じチャンネルのスロット(1-2)に2枚挿すとエラー。
- 違うチャンネルの1と3に挿すと動作。
- 3に1枚挿すと動作。
- 同じチャンネルのスロット(3-4)に2枚挿すとエラー。
- 2や4に1枚挿すとエラー。
症状 : 偶数番スロットにメモリーを挿すとエラー。
1と3の4GBでの運用であれば可能なのですが、それだと心ともないのとせっかくメモリー4スロットのマザーボードなので8GBにしたいですのでトラブルシューティング。
不具合予想
- メモリー不良である。
- メモリースロットの接点不良である。
- マザーボードのBIOS不良である。
- マザーボードのBIOS設定が悪いのである。
- マザーボードのコントローラー的なものが不良である。
- Phenomはganged、ungangedという変わったメモリーコントロールをするのでCPU故障である。
- 電源不良である。
メモリー不良である→ではない
メモリーを別のマザーボードにセットしましたが、無事に8GB認識して起動。
IntelのG41、AMDの690Vマザーで認識されてちゃんと動くのでメモリーの不良ではなさそうです。
メモリースロットの接点不良である→ではない
KUREの接点復活剤・コンタクトスプレーをナフコで800円で購入。みんなナフコへ行こう(唐突な宣伝 同郷なので……)。
メモリースロットに吹いて先細の綿棒で拭き取りました。
汚れはごっそり取れましたが、症状変わらず。
マザーボードのBIOS不良である→ではない
マザーボードのBIOSがおかしいのかと、ボタン電池を変えてみましたが特に変わらず。
CMOSクリアしても変わらず。バージョンを片っ端からアップ・ダウンしても変わらず。
BIOS異常ではなさそうです。
マザーボードのBIOS設定が悪いのである→ではない
マザーボードにはDDR2 1333+まで対応と書いていますが、10年選手なので667以下くらいしか認識しないのかなーと思いまして、BIOSでメモリークロックを400MHzまで落とし、タイミングも一番最低まで落としゆるゆるにしました。
今度は短音繰り返しのエラーが出ました。電源関係でしょうか?
強制リセットするとBIOS設定がリセットされて、再び長音4回に戻りました。
うーん。なぜゆるゆるにしたら電源関係のビープがなるのか謎です。
マザーボードのコントローラー的なものが不良である→ではない
ということで、マザーボード不良を疑いました。
ヤフオク!で落とした時は動作確認済みという説明といろいろな動作検証のスクショがあり落としたのですが、所変わればマザーボードの機嫌も変わるかもということで、別のマザーボードを落札。
即決で出ていたMA780G-UD3Hを落札しました。MA785G-UD3HのAMD780G版です。
比較画像が下。
微妙に違いますが、パッと見同じですね。ブラケットが黄色い方が今までテストしていたMA785G-UD3Hです。
MA780G-UD3Hをケースに取り付け直して、同じようにメモリーを取り付けてトライしました。これでやっと8GBで運用できると思っていました。
が、相変わらずの長音4回!
GIGABYTEマザーボードだから同じエラーが出る?いやまさかそんなわけない。
2回不良品を掴むことは確率的に(多分)ありえないし、相性問題としてもシビアすぎるし、このマザー系列がメモリー相性に厳しいという話はネットで出てこない。
と自問自答して次。
Phenomはganged、ungangedという変わったメモリーコントロールをするのでCPU故障である→ではない
Phenomですが、ganged(ギャングド)という普通のデュアルチャネルモードと、unganged(アンギャングド)というそれぞれのメモリーで独自に処理をするモードというシカゴPD的な物騒な名前の制御モード(gang → 集まるという意味なのでイメージが悪いだけですが)が付いていて、メモリコントローラーが重要そうです。
落札したPhenom X3ですが、ピン根本にグリスがついてました。掃除してきれいにしましたが、そのせいでメモリコントローラーがおかしくなっているのではという疑問が湧いてきました。完動品とは書いてありましたが、ところ変われば(以下略)。
そんなわけで代わりのCPUとして、AcerPower1000からソケットAM2規格CPUのAthlon X2 5050eを剥ぎ取って取り付けてみましたが長音4回。
そもそも5050eはソケットAM2規格のCPUなのであんまり参考にならない。やはりソケットAM2+世代のCPUで検証してみなければ……!
というわけで検証用にPhenom X4 9350eを落札しました。度重なるこれで最後の出費だから攻撃に嫁がキレました。
モノは未使用の純正クーラー付きで良かったです。4コアだし。3コアもマニアックで良かったですけどね。
さてこれで……長音4回。
いい加減わけわからなくなってきました。
電源不良である→ではない
電源は玄人志向の一番安いATX400Wなので、不良を疑いました。
今までmini-ITXのC3を動かしていただけなので表面化しなかったけれども、一気に100Wクラスのシステム消費電力に切り替わったので出力不良が表面化したのか……!
と思い、玄人志向のACアダプター対応ATX120W電源に組み替えてみました。
が、いつもの長音4回。そろそろ窓からPCを投げ捨てそうです。
突然の解決編へ
諦めてPhenomマシン2台へ
散々トラブルシューティングして、CPU2台、マザーボード2台、DDR2メモリーは新規分と手持ち分が散乱。
もう1個ケースがあれば2台組めるなぁと思い、もうメモリー4GBで我慢して2台組むか、と床でMA785G-UD3Hに余ったパーツを取り付け始めました。
試しに4枚挿してスイッチ入れてみました。
どうせ長音4回……ではなくピッ。
起動しました。
電源を120WのACアダプター対応にしても起動します。
なーぜー。なーぜー。
悩んだ結果、一つの結論が出てきました。
ケースのスペーサーが原因でした
最初の方に下記の記述がありました。
9個のスペーサーを取り付けましたが、マザーボードの穴は7個だったので7本ネジを締めました。
隠れた2個のうち、1個の場所がまさか……とケースからマザーボードを外したら、隠れた2本のスペーサーのうち、右上の1本がメモリースロットの真下にありました。
これがメモリースロット配線部分に当たってショートしてるんじゃないか?
と思って外し、マザーボードと他一式を取り付け直したら無事に8GB認識し起動しました。
何事もなかったかのように起動するのが逆に腹立ちました。
あーさくさく動く気がするなぁーあははぁーははぁー。
今回の教訓
ケースに取り付ける前に起動確認しよう。
不具合を疑ったヤフオク出品者の皆様大変申し訳ありませんでした。すべて完動品でした。
私の頭が不良品でした。自作PC関連の失敗にまた一つネタが増えました。
とりあえず、性能などのインプレッションについては疲れたのでまた次回です。
エンディング
Phenom X3 8450e 800円(以下送料込み)
DDR2 800MHz x2 1,000円
GA-MA785G-UD3H 3,000円
GA-MA780G-UD3H 4,000円
Phenom X4 9350e 2,700円
KURE コンタクトスプレー 800円
費やした時間 プライスレス
合計 12,300円
性能2.5倍のAthlon 200GEとマザーボード買えた……。
24インチくらいのディスプレイ買えた……。
終劇
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